不動産屋さんは人生の疑似体験
こんにちは。今朝、髪の毛を結ったら頭皮が突っ張って、5回もやり直したもちこです。
SUUMOジャーナルでこんな記事を見つけました。
「バリアフリーって、実は運動の機会を損ねている面もあるんです」
という、要介助者のためのリフォームに関する記事でした。
もちこは賃貸専門なので、この記事に関しては業者よりもユーザー目線で読んでいたのですが、
記事の中のこんな一文にはっとしました。
「私がホームヘルパー2級の講習を受講した際に、
介護用おむつを渡されて自分も付けて寝て用を足す体験をしました」
以前、介護に近い経験を身内でしたことがあったんですが、もしあの時にもちこがおむつをしてみたら、、もっと心から寄り添えたのかもしれない。
彼女の辛さを想像できたのかもしれない、と思わせられた一文でした。
これは、「あのときもっとやってあげれることはなかったのかな」ていう後悔とかそういう話じゃなくて…経験することで、想像すらできなかった大変さや辛さがあることを知ることが出来たんじゃないかな、と。
それは相手のためじゃなく、もちこにこそ必要な気付きやったんやと思ったんです。
もちこが思うに、人は全く体験したことがないことに関して、想像の翼を広げることはできないんやと思うんです。
例えば、最近ハワイに行った友人から、
「森の先に海が広がる断崖の眺めが絶景で。でも風がほんと強くて、コインを放り投げたら吹き飛んじゃったの!」
ていう話を聞いたんですが、もちこはハワイに行ったことがありません。ハワイの緑の濃さや空の青さ、風の匂いなんか知らないから、近い経験をつなぎ合わせて友だちが見た景色や体験したワクワクを「想像」するしかない。
沖縄の空と海、原生林、台風のときの暴風雨…
「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」
と言う言葉がありますが、想像もきっとそう。
体験したことの新しい組み合わせ。創造なんじゃないでしょうか。
だから、似た経験がなければ想像できない。
事故で一切の記憶を失ったある男性は、ご飯を食べろと言われれば止めろと言われるまで食べ続けて窒素し、お風呂に入れと言われれば真冬の浴槽に空のまま裸で数時間座り続け、炊飯器を開けたときに立ち昇った蒸気の正体が分からず、後の回想録で「蓋を開けたらきらきらしたものが現れて…」と書いたそうです。
話が逸れてしまいましたが、もちこにはオシメをして生活するということに近い経験がなかった。だから、想像もできなかった。そのことに、この文を読んで気付いたんです。
それに気付いたとき、不動産の仕事ってこの類似体験の積み重ねなんじゃないかな、って思って。
結婚したことなくても、子どもを産んだことなくても、保育園を検討したことなくても、夜遊び好きの男性一人暮らしなんてしたことなくても...
そういう人たちの暮らしにあった地域、物件を提案するお仕事。
最初は想像すらできなくて。
でも、周りに聞いたり、お客さん自身から聞いたり、積み重ねていくうちにわかっていく。
子どもがいる家はガラスの建具は危ないな、とか、畳は転んでも痛くないから助かるな、とか、都会暮らしが好きな男性一人は外食&ジムで汗を流すから、水回りは充実していなくてもいいんだな、とか。
役者さんが演じることで、様々な人生を疑似体験するのに近いことをやらせてもらっているのかもしれない。
そしたら、自分の価値観以外の世界も知って、ちょっと人に優しくなれる。
かもしれない。。
改めて、大切で、良いお仕事だな。と思ったのでした。